鎖国状態の日本の業界情報

先日、台湾中部の工業地帯にある自動車部品製造会社の社長さんとお話していた時の事です。

驚いたことに、その会社では日本の自動車業界情報や、取引先の情報を入手する為に、わざわざ日本国内に住む日本人とアドバイザー契約をして業界紙の翻訳を送ってもらっているのだそうです。

世界に誇る日本の自動車業界でさえも、HondaやToyotaなど大企業であれば情報はあふれているものの、パーツになると情報が入ってこないのだとか。

 

専門媒体の英語記事はほとんどない

日本には業界に特化した業界紙、専門紙が数多く存在します。

自動車業界を例に取ると、「日刊自動車新聞」、「交通毎日新聞」雑誌では「日経オートモーティブ」など。

部数が数千のものから数十万のものまで大小さまざまで、1つの業界にはいくつもの専門媒体が存在し、業界に関連する様々な情報を詳しく報じています。

ところが、日本の製造業にとって重要な情報が満載のこれらの専門媒体はほぼすべて日本語のみ。

オンライン化も進んでいない為、宝の山のような情報が国内のみに留まっているのです。

海外の取引先や、国内で働く外国人にとっては日本の業界情報は非常に限られており、これだけ企業活動がグローバル化し、情報の流通が国境を超えるのが当たり前になっている中でこの部分が鎖国状態となっているのです。

 

専門媒体の記事を英語化しオンラインで世界に発信

そこで立ち上がったのが日本在住14年のドイツ人、ウルフ・ドレスラさん。

もともと大手化学会社に勤めていたドレスラさんは、日本で働く外国人や海外に日本の業界情報が届いていない状況をなんとかしようと、脱サラを決意。

日本の専門媒体の記事を英語に翻訳してオンラインに掲載する会社を2015年に立ち上げました。

ウルフ・ドレスラさん
ウルフ・ドレスラさん
Japan Industry Newsという英語のオンライン媒体で日本の製造業を取り巻く記事を掲載する一方で、ゴム報知新聞化学工業日報日刊自動車新聞と契約し、それぞれの英語版サイトから記事を配信しています。

「素晴らしい技術を誇る日本の製造業の情報を世界に発信したい」とウルフさん。

今後も媒体数を増やしていきたいとの事です。

日本の製造業の情報を海外に発信するには専門媒体の英語版は最強のPRツールになる事でしょう。

今後の媒体数アップを期待したいところです。

 

各業界の主要専門媒体は以下の国立国会図書館のサイトで確認できます。

http://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/post-656.php

RELATE POST